「守ってやるって言ったくせに何も出来なくてごめんな」 もっと早く助けに行ってやれたら、明菜は辛い思いをしないで済んだ。 泣かせずに済んだ。 全ては大虎を甘く見ていた俺のせいだ。 「何で……?何で龍心が謝るの?悪いのはあたしだよ……?」 「もう何も言うな」 俺は明菜を引き寄せギュッと抱き締めた。 きつく抱き締めると壊れてしまいそうなくらい華奢な体。 もう悲しい思いは二度とさせない。 俺は明菜を抱きしめながら、グッと唇を噛んだ。