龍と虎に愛されて。


「龍心なんてやめて、俺にしない?」


「ちょっと、離して!!!」


両腕に力を入れて、杉崎君から逃れようと抵抗する。


「……そんな顔されるとますます離したくなくなるんだけど」


「やめて!!どうしてこんなことするの!?」


「どうして?う~ん、どうしてだろ。明菜ちゃんが好きだから?」


「あたしのことが本当に好きだったら、こんなことしないはずだよ!!」


あたしがそう大声で叫んだ瞬間、杉崎君の目が左右にユラユラと揺れた。



「ちょっと、黙って」


「――――んっ!!」


そして、その言葉と同時にあたしの唇は杉崎君によって奪われた。


「んっ!!んんっ!!!」


首を左右に振って抵抗しても杉崎君はあたしを離そうとはしない。