龍と虎に愛されて。


身の危険を感じて、思わず後ずさりする。


「そっか……。とりあえず、元の場所に戻ろうよ?そこで話を聞くから。ねっ?」


そう提案すると杉崎君はクスッと笑った。


「怖がってる明菜ちゃんって可愛いね」


「冗談……言わないでよ……」


「ふぅん。それなら、これでも冗談だって思う?」


間を置いてそう言うと、杉崎君はあたしの両腕を掴み、木に体を押し付けた。