「あれ?佐和さん知らなかった?ペア同士で手を繋がないといけない決まり」 「えっ?そんな決まりあったっけ?」 「あったよ。この場所は暗いし、はぐれると危ないから」 「あっ、そっか」 良く見れば周りにも何組か手を繋いでいるペアがいる。 天然の杉崎君も案外しっかりしているみたい。 「分かった。じゃあ……」 あたしは右手の汗を洋服の裾で拭くと、杉崎君の手を握った。