「……――キャッ!!」 すると、トイレから飛び出した瞬間、誰かに勢いよくぶつかった。 「ご、ごめんなさい!ちょっと、急いでて……!!」 「なにやってんだよ。ちゃんと前見て歩け」 「なんだ。龍心かぁ……」 「なんだって何だよ。ほら、急がねぇと間にあわねぇぞ?」 そう言うと、龍心は呆れながらあたしの右手をそっと掴んだ。