「明菜ちゃんの話なんだけどね」 「……明菜?」 「そう。龍心と明菜ちゃんって付き合ってるんでしょ?」 「何でお前が知ってんの?」 「みんな知ってるよ。学校中の噂」 大虎はニヤリと笑いながら続ける。 「ねぇ龍心、俺に明菜ちゃんちょうだい?」 ……は? 何言ってんだよ。 「どういう意味?」 「実はさ、結構前から明菜ちゃんのこと狙ってたんだよね。可愛いのにサバサバしてるし」 大虎は躊躇うことなくそう言い、清々しい表情で背伸びする。