次の朝、学校へ行こうと玄関を出たあたしは

玄関の前に、ヒロの車が止まっているのを見て驚いた。


知らん顔して、俯いて通り過ぎようとすると

窓からヒロが声をかけた。


「送ってくから乗れよ」

その声を無視し、あたしはヒロの顔も見ずに、どんどん駅に向かって歩いた。



(一体どういうつもり?!)

あたしは憤慨していた。


それでもヒロはゆっくりとしたスピードであたしの後ろからついてくる。

「いいから、乗れって!」

それでもあたしは無視して歩き続けた。


早足で…そして最後は小走りになって。

やっと線路沿いの、車の入れない道まで来てから、ヒロの車を振り返る。


「帰り迎えに行くから」

「もう来ないで!」


あたしはそう言って睨みつけると、また駅まで走った。





どうしよう…


ヒロが諦めてくれなかったら…


帰り、どうしよう…



あたしは怖くて仕方がなかった。