「もしかして、あの次の日からじゃないよね?」

零の言葉にうろたえる。


「うぅん、違いますよ」


「…嘘だ、顔に書いてある」


「え゛…」

あたしは頬に手を当てた。


「フフッ…」

零は小さく笑うと

「書いてあるわけないよ。
ホントに面白くてわかりやすい子だね」

と言った。


あたしがモジモジして言葉を探していると、零は続けた。


「やっぱり、あの時風邪ひいたんでしょ…
なんか、ごめんね」


「ち、違いますよぉ〜!
その前から風邪ひいてたんですぅ」


「ほら、違わない。
それで余計ひどくなったんじゃん?」



(しまった!)


そう思った時には遅かった。

咄嗟に言い訳しようとしたのが、結局墓穴を掘ってしまった。



困った顔をしているあたしの横で

零は下を向いて、込み上げてくる笑いを堪えているようだった。