結局何も話せないまま船は船着場に到着した。
俯いてずっと口を一文字に結んでいる女。
嶋田と仲良く肩を並べ、ハシャグ女。
余りに対照的すぎる二人の女に笑いが込み上げた。
まだ胸は俺のいうことを聞いてくれない。
高鳴る心臓の音も耳について離れてくれない。
船から下りるとずっと俯いたままだった女が大声を上げた。
「芽衣ちゃん、ここさっきの場所と違うよ!!」
「俺たちこの場所に車を止めているんだ。一緒にこの辺の探索をしようって事になったから一緒に降りたんだけど勝手に決めてしまって悪かったね。」
彼女に答えたのは嶋田だった。
そういうことか。
そりゃ嶋田だ。
そうなるだろう。
俺には諦めるしかない。
実際、会話を放棄していたんだし今更何も言えないよな?
「いいえ、ぜんぜん大丈夫です。芽衣ちゃんも嬉しそうですし。」
嶋田にむかって大袈裟に両手を胸の前でブンブンと振りながら答える女。
それって友達のつき合いで仕方なくって聞こえるぞ。
そんな女の言葉にいちいち傷ついている自分にも驚いた。
本当にわけがわからない。


