Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

「なんだきさま!?」

 男が驚いて銃口を突きつけると、青年はその手首を左手で掴んでくるりと背後に回り、男の首にナイフの刃を走らせた。

「──っ!?」

 男は叫びを上げる暇もなく、首から空気が漏れる音と共に血が噴き出し人形のごとく転がる。

 いきなりの事に驚きながらも、アレウスは言われた通り左の男たちに回し蹴りを繰り出した。

 一人は避けたが、一人はもろにこめかみに食らって倒れ込む。予想しなかった青年の乱入で男たちの集中は途切れていた。これなら勝てるかもしれない。

「き、きさま! 何者だ!? どうしてこいつらを助ける!」

「さあね」

 青年は声を荒げて掴みかかる男の腕を払いのけ、素早くナイフを心臓近くに突き立てる。だめ押しに突き入れたナイフをねじると、男の体がビクンと痙攣した。

 そうして声もなく崩れ落ちる男から視線を外し、腰の後ろから拳銃(ハンドガン)を抜いて残った一人の腹部を撃ち抜いた。