Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

「が──っ。あ……」

「なんだ!? 何が起こっている!?」

 目の見えない男たちは、暗闇の中で放たれる存在感にあわてふためいた。

 ここには、敵しかいない。ベリルは足音や服のすれる音と気配を頼りに一人一人、素早く駆け寄り、のど元や背中にナイフを突き立てていく。

「ぐ、うっ」

 最後の一人が生命活動を止めて地面に倒れ込み、再び静寂が訪れる。数秒ほど無表情にそれらを見つめていたベリルだが、ふと我に返ったように頭をかいた。

「一人くらい残しておけばよかったか」

 消えた練炭に火を灯し、転がっている死体をごそごそと(あさ)り始めた。

 ナイトビジョンゴーグルはもちろん、持っていた武器を一切合切(いっさいがっさい)取り外すと、まとめて荷台にポイと投げ入れる。