幻想の住人となったベリルは、変わらずにその存在感を際立たせ、エメラルドの瞳を少女に向けた。
「ありがとう」
ミレアは遠ざかる車を見つめ、これまでの出来事を思いめぐらせた。
──彼は、あらゆる人種のDNAから造られた。それはつまり、あらゆる人種のDNAを、彼が持っているという事なのではないだろうか。
使われなかったDNAもあるかもしれない。けれど、
「もしかすると、わたしたちのDNAも?」
集めたDNAの中に、ミレアたち種族のものがあったとしてもおかしくはない。だとするならば──
「彼の瞳こそが、本当の、魅了する瞳なのかもしれない」
もしそれが事実であるなら、彼女は自分たちの遺伝子を、奇しくも永遠に残した事になる。



