Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

「我々も戻りましょう」

「でも」

 故郷に帰りましょうと促すアレウスに、ミレアは躊躇(ためら)った。ベリルを不死にしておいて、そのまま帰るなど彼女には許されることではない。

 そんな少女の考えを察したのか、ベリルは柔らかに微笑んだ。言葉にしなくとも、彼の優しさは充分にミレアの心に伝わっている。

 そんな風に全てを赦してしまったら、みんながあなたに甘えてしまう。でも、今はそれがとても嬉しい。

 でなければ、わたしは自分を責め立てて、この命を捨ててしまうかもしれない。

 でも、わたしが離れたくない理由は、もう一つある。

「本当にもらっていいのか」

 アレウスは放置されているジープを示す。

「構わん」

「もとは誰のだ」

「さあ」

 とぼけるということは、これはこの基地のものだな。しれっと、この車を自由に使えとよくも言ったな。

 カーナビの設定をしてくれたのは有り難いが、俺はお前のやらかした数々の蛮行を忘れはしないぞ。