「貴様の相手はキリアだ」

 セラネアは低く発しベリルを睨みつけた。

 その言葉通り、背後に殺意を感じゆっくりと振り返る。そこには、ナイフを抜いて小馬鹿な笑みを浮かべるキリアが早く闘えとぎらついた目を向けていた。

 期待に顔を歪ませるキリアは、ベリルが考えていた性格そのものだ。相手の能力を下げることなく、従わせる事が出来るのかとセラネアに興味が湧いてくる。

「忠誠心だけを植え付けられたか」

「殺してやる」

 どんな悲鳴を上げるのか楽しみだ。せいぜい、死なないように頑張れよ。

「ミレア様!」

 動けないアレウスはミレアに迫るセラネアに歯ぎしりした。

「さあ。我にその力を示せ」

「いやです」

 誰が、あなたになど!