Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-


 ──侵入してしばらく、クライドたちは基地内の様子に眉を寄せる。

「おい、ベリル。本当にその、キリアはいるのか?」

<そのはずだ>

 返答のあと、ベリルも怪訝な表情を浮かべた。

「何かあるのか?」

 アレウスは、不慣れな状況ながらも仲間たちの戸惑いを感じて不安を募らせる。

「統率がとれていない。指揮がいないのか、伝達が不十分なのか」

「なんだって?」

 いくら、こちらが慎重に行動しているとはいえ、あまりにも警戒が薄い。こうも容易く侵入を許し、今もなお大きな戦闘には至っていない。

 少数のグループ単位で向かってくるだけで、基地の規模から考えてもこれはあり得ない。こちらのチーム全てが難なく進んでいる事がすでにおかしい。

<とにかく、先に進む>

「油断するな」

 侵入した各班は、天井に張り巡らされている配線やパイプを元に前進しながら地図を書き進めていく。そうする事で、移動や指示がやりやすくなる。