そして、 その時から、 オレの人生も決まってしまった。 兄貴みたいに、 都会で就職して、 いつか帰るなんて猶予は、 オレには貰えなかった。 「大切な一人息子」 何とか説得をして、 大学だけは卒業させてもらえた。 その代わり、 卒業したオレを待っていたのは、 約束された、退屈な日常。 同じことの繰り返し。 明るい未来なんて、 何一つ無かったんだ。 貴女に会うまでは。