月と薬指


夜の7時に店が閉まったら、

どこでタバコ買えっつーんだよっ!!

時代遅れの自販機には、

見たこと無いタバコしか売ってないっつーのっ!!


遠く離れた大学へと進学したのはいいが、

結局、

地元の会社にこじんまりと就職して、

惰性で流れていく毎日に逆らおうともしなかった。


長男は、家を継ぐ。


そんな暗黙のルールが、罷り通るような田舎町。



何にも無い、この町が、

オレは嫌いだった。