「そっか……。」 顔が分からないとなると、余計に警戒できない。 「取り敢えずさ、警戒はしなきゃだね。」 鈴恵が笑って言った。 勿論、笑った笑顔の裏側にあるのは不安だろう。 「うん……。」 あたしと鈴恵は、科学室に歩きだす……。 大丈夫、だと思う。 ママが仕組んだスパイ(?)なんてモノ、どうにだってなる。 ───「…壊してやる…」─ そんな声は、あたしと鈴恵には届かなかった。