「ハッキリ言ってくれなきゃ、翼と口聞かないっ…」 プイッとそっぽを向いて、イジけて見せる。 だって、即答するのは翼がいつも何かある時だから……。 「……………。」 翼は、はぁ…と溜め息を吐いて、 「…由美…。」 あたしの名前を呼ぶ。 単純なあたしは、直ぐにその声へ反応する。 「…な………っ。」 振り向いた瞬間に視界は遮られ、唇に当たる温かい感触。 「んっ………」 キス……。 頭の中に浮かんだ二文字。 タクシーの運転手は運転に集中していて、こちらに気付いてない。