893〜ヤクザ〜

もちろん目を合わそうとする馬鹿な奴なんている訳がなかった。

目を合わすと言う事は、『僕を投げて下さい』というサインになる。



わしは必死に目をそらした。

必死にそらしたつもりが目が合った。

わしの目が離れているという顔のパーツに問題があったのか、とにかく確実に目が合った。



「…………!!!」



時すでに遅し。

本田君がわしにゆっくりと歩みよる。



(最悪や…最悪や…ヤバイどうしよ…逃げたら次会った時もっと投げられる……鳴呼……あぁ……どうしよ!!!)



そして意味もなく壁を見つめているわしの前に、本田君は立ち止まった。