そして冬に入り、20歳を迎える数日前、わしは組長さんの自宅にお願いにあがった。



「お疲れ様です!!!」



「おぉ……平尾か。何の用じゃ。」



部屋に上がるやいなや、座椅子に座る組長さんの前でわしは手をついて頭を下げた。



「俺!組長さんの盃が欲しいんです!!!!」



「盃?お前20歳なったんか?」



「もうすぐ20歳になります!!!20歳になったら盃もらえますか!!!俺、組長さんみたいになりたいんです!!!



わしはここぞと言う時に思ってもいない事を平気で言える。



「極道はそんな甘いもんやないど?」



「分かってます!!でも俺ずっとここでみんなと一緒にやっていきたいんです!!おながいします!!!」



わしはここぞと言う時にいつも噛んでしまう。



そこへ姐さんが入ってきた。