道を歩いてたら前方から来た車に目が釘付けになったんだ。だって派手なオレンジ色の車だぜ?なかなか見ないだろ。
そしたらその車が俺の傍で停車したわけ。
「キミ、おいで」
ウィーン、って窓ガラスが下がって出てきた顔は。
「うお!俺よりかっけぇ!!」
「あぁ?」
「こえぇ!魔王だ!」
「なんか。今日はムカつく奴にばっかり当たるんだけど」
眉を寄せてしかめっ面したクールな魔王は、それでも仕方なし、って感じで俺を手招いた。
「ホストクラブの勧誘かなんかっすか?」
俺は問い掛けてみた。そしたらますます不機嫌そうになった黒髪のイケメンは、なにやら助手席にいるらしいもう一人を振り返った。
するとそのもう一人の男が黒髪を押し退けるようにして窓から顔を覗かせた。
その時です!
俺様の頭ん中にリーンゴーン!って鐘の音が!!
やっべー!林諒介、またまた男に恋の予感!!?
あ、ちなみにクリスカのタキの名前、俺と一緒だって知ってた?これレア情報だよ。