歓声がわき上がる中、龍治のシャウトから始まった暁の演奏。


力強く打ち出されるドラムの音の上にさらりとベースが乗って走る。
そして華やかなギターがボーカルを引き立てる。


彼らの音楽はキラキラしてて、オーディエンスを笑顔にさせる。
誰もがリズムに合わせてぴょんぴょん飛び跳ねてしまいそうだ。





「暁でーす!!みんな楽しんでる?」


龍治が叫ぶ。


「俺めっちゃ楽しいっ!」


自分で答えてます。


そんな龍治を見つめて頬を染めていたのは……。


「なんか……カッコいいですね、あの人……」


「和穂ちゃん?!え?もしかしてあのボーカルに惚れちゃった?!」


焦る武瑠をよそに、両手を組んでステージを見上げる和穂。


仕方ないよ武瑠くん、ライブにいくと女の子はみんなこうなるんだよ……。