と、二人でこそこそ密談していると。
「あっれぇ~?螢と七瀬じゃん!なに、デート?」
えぇっ!!?
歌夜は飲んでいたカフェオレを噴き出してしまいそうになるのを必死でこらえた。
そんな彼女の視線の先で、二人の高校生はその傍らに立ったもう一人の学生を見上げていた。
「ちょっ!!林!お前そういうこと言うなって!」
「そうだ。せっかくのデート邪魔するな。だいたい俺はお前に呼び捨てにされる仲じゃないし」
「えぇ~、なんか二人とも冷たくね?!俺、お前らの恋のキューピッドだろ?もっと優しくしてくれよぅ」
「デート……、これってデートだったのか?!」
「え、螢、もしかして気付いてなかったの?」
「ホントにデートなの?」
「……可愛い。螢のそのちょっと天然なとこ俺好きだな」
「んなっ!!何言ってんだよ颯人!!」
「おーーい、二人とも俺様の存在はスルー?え?俺のこと見えてる?」
なんとも酷い会話。これを聞いていた歌夜と紅志はもはや言葉も出ないままに隣のテーブルを凝視である。
なんなんだこいつらは?!
自分のキャパを超えた会話に、目が点になる紅志。そして。
こっこれが!今流行り?のBLってやつなの!?うっきゃ~!薔薇が見える!背後に薔薇がみえるぅ~~!!
脳内お花畑な歌夜……。