暗転したステージ。
目まぐるしく点灯する照明。
叫ぶオーディエンス。


ライブの始まりはいつだって体中がザワザワと興奮で落ち着かない。


ゆっくりとステージ上に踏み出したナオヤ達の耳に、飛び込んできたデカイ声。


「アキトーッ!!ぎゃーっ!!かっこいー!!」


……あんの、ばっかやろう!!


アキトさん、怒鳴りたい衝動を必死で抑えます。






あの人、凄いなぁ……。ポカンとして今しがた悲鳴のような歓声をあげた久太郎、もといマーガレットを見つめてしまったのは、和穂である。
隣にはもちろん武瑠。


「ほら、和穂ちゃん始まるよ!」


「あっ、うん!私、こんな生のライブなんて初めてだから緊張する……」


「へぇ、和穂ちゃん初めてなんだ。嬉しいなぁ、俺もライブは初だから。一緒だね」


にっこりと笑う武瑠に、和穂は顔を真っ赤にさせる。


うがっ!!ここも熱々やんか!!