レンはといえば、目の前で目をハートにしているライと、ポカンと突っ立ているタキを見ながら。
なんだ、全然隙だらけじゃん。これなら簡単。
なんて思っていた。
彼はにっこりともう一度微笑んで、ライの目を見つめる。
「ちょっとバイクが故障しちゃって。見てもらえますか?」
こんな子がバイク?!
一瞬疑問に思ったタキであるが、それよりも先にライが頷いていた。
「オッケー、見てやるよ。どこにあんの、そのバイク」
「あ、店の前に。エンジンがかからなくて困っちゃってぇ」
そう言ったライの腕に、さりげなーくレンの腕が絡みついた。ついでにピタッと胸をくっつける。
もちろんニセモノである。
ってかそこまでしなくっても……。
作者がしたいだけだろう。というレンくんの声が聞こえます……はい。
タキはそんな二人の後ろを仕方なくついていく形に。
「ライー、直すなら早くやってくれよ。あんまり遅くなるとライブに遅れる」
「え?ライブって?」
タキの言葉に、パッと振り向いたレンが声をあげた。



