そこに立っていたのは全身真っ黒のゴスロリファッションの女の子。
パッチリした瞳がライとタキを見上げてにっこりと笑った。
「クリスカのライさんと、タキさんですよね?」
「かっ、可愛い……!!」
ライ、一撃必殺!!
って当然このゴスロリちゃんはアトミヤレンの変装した姿であるが。
「あのぉ~、俺、じゃない、わたしぃ~お兄さん方にお願いがあるんですけどぉ~」
上目遣いでライを見上げたレンは、可愛らしくパチリと片目を閉じてみせた。
内心、うえぇ~!俺気持ち悪っ!とか思いつつ。
しかし任務遂行のためやむなしである。
その気合いが報われたのか、レンの言葉にライはコクコクと首を縦に振った。
「なに?なになに?!キミの頼みなら何でも聞いちゃう!」
デレッデレ……。なんて男だよ全く。
隣でウンザリした顔をするのはタキであるが、目の前の女の子を見て少しばかり違和感を覚えていた。
なんか……変な感じ。
俺の気のせいか?
こういう時のタキの勘は当たるので、ある。



