アキトは小さな溜め息を吐きながら、腕にしがみつくナオヤの手をそっと振り解き、小声で合図をした。


「よし、カウント5で突入だぞ、いいか?」


「ラジャー!!」


手を額に持っていったナオヤである。


「いくぞ、5、4、3、2、1、それっ!!」


バッターン!!!


「うわぁ!?」


「えぇっ?!」


中にいた二人の叫び声。そして……。


「おいてめぇ、ウチの大事なベーシストになに手ぇ出してんだ。あぁ?!」


あわわわわ!アキトさんアキトさん!ちょいノワールな人になってますよっ!!


「ハルちゃん大丈夫?!なんにもされてない?!」


ハルタはいきなり飛び込んできたアキトと、抱きついてきたナオヤに大きな目をさらにパチクリ。


「な、なにしてるんですか二人して……?」