「いてて……。狙ってんのは俺の友達とか。あと……うちの礼治も、たぶん歌夜ちゃんがお気に入、へぶっ!!?」


今度は珪甫の肘がハイジの脇腹を直撃です!


なんて酷い仕打ち!ハイジは何も悪くないのに!


「礼治ってあのベースの野郎か?!いかにもスケベそうな顔してやがる……」


えー?そうかなぁ、エロそうなのは龍のほうじゃ……。


「いや、ああいうポケーッとした奴ほど手が早いんだ」


あーそうな…。


「え?!今、心読まれた!?」


「いいかハイジ、アイツやオマエの友達に言っとけよ、オマエ等みたいなへなちょこは岡崎さんの足元にも及ばないんだ、って」


珪甫の目は数メートル離れた壁際へと向けられる。


そこには歌夜とにこやかに話す紅志の姿。
彫りの深いその顔は相変わらずかぶっている中折れ帽で隠れているが、それでも彼のかっこよさは隠せていなかった。


……褒めすぎた?