海斗は急いでぶっさんの体を彩都の顔面からはがした。


「うわ、どうしよ。彩都、固まったままだよ」


「……とりあえずこのまま放っておけばいい。そのうち元に戻るから」


……そうなのか?


「や~、それにしても平気だった?にゃんこー」


『おぬし、ふざけるでにゃい!触るなと言ったにゃろめ!』


ぶっさんが耳とヒゲをピンと立てながら海斗に猫パンチと猫キックを繰り広げる。が、短い手足では海斗には全く効かず。


「だってにゃんこがしゃべるのショウ達にも教えたくってさぁ」


『ふん、無駄だにゃ。この二人にはわしの言葉はわからんにょ』


「え、なんで!?」


びっくりしてぶっさんに聞き返した海斗の肩を、ショウの手がポンポンと叩いた。


「海斗。オマエさっきからひとりで何をしゃべってんだ?」