ピタリと彼らの横で停止したその車の窓が、すぅっと音もなく下がって、ひとりの青年が顔を覗かせた。


「「うわ……」」


思わず感嘆の声が漏れたタキとライ。


なにコイツ!めっちゃ美形なんすけど!!


ライが口をあんぐり開けていると、同じくタキもポカンとしながらその顔を見つめていた。


「ま、魔王?」


車の中から二人に声が掛けられる。





「俺に用があるのはどっち?」





微かに口角を上げたその顔はまさに魔王。しかも妖しい魔王。多分フェロモン全開。


……こんな説明でいいんか?!