「さぁて、登、会場に行く前にかるーく何か食べて行かない?ライブ中にお腹減っちゃうんだよねー」


「うん、いいよー!何食べよっか?」


早速今から食べる物についてああだこうだと話しながら、彼らは仲良く手を繋いで歩きだした。


どうやら二人は誰かのライブに行くらしい。
さて、誰だろう?
と言っても、彼らがこうしてライブハウスにまで足を運ぶ相手なんて、彼らしかいませんが、ね。


「ね!あの車見て見て!!」


「んー?」


「あれ!ど派手なオレンジ色の車!!」


ふいに足を止めた登が指差す先に、本当にオレンジ色のど派手な車がゆるゆるとしたスピードで走っていた……。


「うわー、すっごい。なにあれ?!」


「あのセンス、僕よくわかんないよ……」


「そう?私は好きだけど」


そんなたわいない会話をしながら葵たちは、再び歩き出した。