「い、嫌っていうか……こ、こういうの見せるのは武瑠さんだけが、いい……」
うわぁー……キますよその台詞!
心の中でそう叫んだ登は、葵にこそっと耳打ちをした。
「葵さん、僕たちお邪魔になりそうだからさっさと行こうよ」
その言葉に即座に頷いて、葵たちはアパートを退散することにした。
しかし彼らがいなくなったことにも気付かず、二人の世界になってる和穂と武瑠。
「和穂ちゃん……やっぱり出掛けるのもう少しあとにしよう?」
「え!な、なんで……って、ひゃっ!?」
いきなり武瑠に腰を引き寄せられた和穂は叫んだ。気付けば目の前に彼の瞳。
ち、近い!!
「和穂ちゃんがあんまり可愛いこと言うから、俺我慢出来そうにない」
甘い声で耳元に囁かれた和穂。
腰砕けである。
……歌夜ちゃんなら叫んで相手を突き倒す場面ですが。
「ほら、おいで」
「はい……」
素直な和穂は武瑠に手を引かれるままに再びアパートの中へ逆戻り。
この後はどうなるかって?そりゃアナタ、ねぇ。ご想像にお任せしますわよ~。
うふふふふ。
今キモいって聞こえたぞ!!