「さて、準備出来たら行こうか?」


数分後、髪やら服やらを整えた二人は揃って姿見の前に並んだ。


例のごとく登は上から下まで完璧なゴスロリ姿。一方、葵はダークパープルのダウンジャケットの下に黒のロンT、そしてスキニーデニム。


……男女逆転カップルはお変わりなく健在。


そんなこんなで葵の住むアパートの玄関を開け、外に出る。と同時に隣の部屋のドアも開いた。


「あ」


「あ、どうも」


にっこりと爽やかな笑顔で頭を下げたイケメンと、可愛らしい女の子。


「こんにちはー、えっと和穂ちゃん、だよね?」


葵が記憶を探って隣人の名を口にすると、彼女は微笑を浮かべて頷いた。


「はい、えっと……」


和穂はチラッと横にいる男子高生に視線をやって、もじもじしていた。


え~と、なんか気まずいんだけどどうしよう。


和穂は恥ずかしさMAX。何故って?


それは……。


「僕、秋葉武瑠です。和穂ちゃんの夫です。これからも宜しくお願いします」





「「お、夫だぁ!!?」」




うん。ナイスなハモり。