その後、けーちゃんはバイトに行っちゃって

ゆあは一人でシンの家のチャイムを鳴らしに行った。

でも、出てこない…

ゆあより先に帰ったから、絶対中にいるはずなのに。



「シンー、怒ってる?」



家にいるはずのシンに向かって叫ぶ。



「ばかって言ってごめんね!」


…ぜんぜん、出てきてくれない。



「あと、いつも一緒に帰ってくれてありがと」



……まだ、怒ってる?



「ぶっ」

「え?」



うしろを振り返ると、口に手を当てて笑ってるシンがいた。

手には買い物袋を持ってて…

っていうことは
え、家にいなかったの?



「何一人で叫んでんだよ」

「だっ、だって!!!」

「ま、許す」



………え?



「俺、心広いし」



ん、と言ってシンは袋の中から取り出したものをゆあにくれた。



「あ…!」



イチゴプリンだ…!!!



「ありがとうー!」

「叫ぶなよ近所迷惑」

「あ、ごめんね」



シンは家のカギを開けて、中に入った。

ゆあも一緒に入って、リビングでイチゴプリンを食べた。



「だいたいさぁ、なんで急に帰んないとか言い出した訳?」