「ふぁ…」
んっ?
まっくらだぁ…
あれ?
なんでまっくらなの?
そっか、映画見てたんだ
あれ?
でも、なんでみんなぞろぞろ出てっちゃうの?
まっくらな画面には、下からずらずらと白い文字が流れてきて映ってた。
あ、もしかしてこれって…
「楽しかったなぁ、ゆあ」
「ふえっ!?」
急に横からけーちゃんに声をかけられてびくっとする。
楽しかったかなんて、気づいたらおわっちゃってたからわかんないよ
「あれ?ゆあちゃんと見てたのかぁ?」
「みっ、見てたもん!!!」
にやにや笑いながらけーちゃんが言うから、むっとしてうそついちゃった…。
「よだれの跡ついてるけど」
「エッ!!!」
慌てて口の周りを触って確認する
けど、けーちゃんはまだにやにや笑ってて…
「うそー」
だっ、騙されたぁあ!!!
「けーちゃんひどーいっ!」
「ゆあも嘘ついたんだからおあいこなっ」
う…
たしかに。
「寝ちゃってごめんね」
「ははっ、いーよいーよ寝る子は育つ」
笑いながらけーちゃんはぽんぽんとゆあの頭を叩く
「じゃ、飯食いに行こっか」
「うん!!!」
実は、お腹ぺこぺこだったの。

