先生の家に入った私は、
涙が止まらない。

「親に言ったのか?」

私は首を横に振るしか、
答えが出なかった。

「そうか。」

先生は私の答えを
聞いて言って来た。

「一緒に戦おう?」

「いいよ。
先生は自分の事だけを
考えて欲しい。

私は1人生きていけるし、
もう恋をしないよ。

一応温存療法で手術を
行う事になった。

けど、最悪の場合は、
胸が無くなってしまう。」

私は言葉を選びながら、
先生と話をした。

先生の顔を見たら、
絶対に先生に頼りそうで、
辛かった。

「俺は・・・。」

「先生の心には、
今でも奥さんが生きている。

当たり前だもん。
だからいつも先生は、
空を眺めている。

授業中でも空を
眺めているのは、
奥さんに会いたい。
そうでしょう?」

「けど・・」

先生への気持ちを
隠して私は言った。