フィンは起き上がって静かになった教会の中を見渡して後頭部を掻いた。



「白って眩しいんだよなぁ、光を反射させて…」



微か疎ましそうにステンドグラスを眩しいものに変えている太陽を眺めた。


暑さはまだましとはいえ、太陽はやはり我が物顔でこの世界を牛耳っている。


いっそ打ち落としてやろうかとしたこともあったが、流石に太陽にまでは魔法が届かない。


着ている服をもう少し考えればいいのだが、フィンは全身白と言っていい、今の服装が気に入っていた。


白いシャツに、白いズボン、白いベルト、白いネクタイ、白いブーツに長い白の外套(マント)、そして白く襟足ほどまでしか伸ばしていない、髪。


ボタンや指輪などのアクセサリーはゴールドだったが、それ以外を覗けば全てが白い。光は二倍に膨れ上がるが、それさえなければいいものである。


それよりも今の問題はこの暇の対処法だ。


ここでまた寝転がっていても暇だし、懺悔室には入れそうにないしでフィンは唸りながら考え込むと、長椅子から降りて大きく伸びをすると教会を出て行った。


まだ高い位置にある太陽を見ないようにしながら背の高い雑草を抜けて門を出ると当てもなくフラフラととりあえず人の居そうな方へと向かって歩いていった。