何かに引っかかっているのだろうかと、ベッドの端へと寄って、手首の手錠から鎖を、動かない原因を、辿る。


それはすぐにみつかった。


鎖が途切れていた。


ベッドの下に。


いや、違う。


自由な左手で鎖を辿る。


すぐに触れる。


それに。


鎖を途切れさせていた、それ。


黒い。



「ん…?」



触れてみたそれは、微かに 骨 ば っ て い て 。


手。だった。


気付いてしまった。


瞬間。


鎖が思い切り引かれた。



「きゃあ!」



端にいたマルシアはその突然の力に抵抗することも出来ず、ベッドの下へと落ちた。


鈍い打音と、鎖の揺れる乾いた音。


強かに後頭部を打って、マルシアは小さく呻きながら目を開ける。


目に入ったのは、ベッドの下の闇。


束の間。