問題アリ(オカルトファンタジー)




一度背中に一直線に切り込みを入れて皮膚の表面、弛んだ皮を掴んで皮膚と皮下脂肪の間にナイフを入れてウナギを三枚に下ろすように、一気に肩甲骨から背中までを引いた。


血脂に汚れたナイフはうまく切り込めず、ささくれ立ってはもう一度、ナイフを皮と皮下脂肪の間に置いて、引いた。


想像を絶する痛み。


叫び声を上げるかつての暴君を、フィンは何の生気も窺えない目で見下ろしては口元に薄ら笑いを浮かべていた。



「なぁ、これ痛いか?どんな風に痛い?死ぬってどんな感じなんだよ?寒いのか?なぁ。神様ってのは迎えに来てくれそうか?答えろよ」



痛みに痙攣する、背中の皮膚がズル剥けになった男はまだ許しを乞いている。


無意味だ。


飽きたフィンは男の首を、顔を身体を脚を、人間の形だと認識できる全てを潰すように槍を突き立てて、実に1時間近く、槍で突き刺し続けた。


まるで水気を含みすぎて失敗したハンバーグの生地のような滑らかさと、細かな塊を混ぜた混じる肉の塊が絨毯の上にぶちまけられた。


白い骨は玉ねぎのように、黒い髪はコショウのように、全体を覆うそれぞれ微かに色の違う赤は何種類もの肉を使ったかのよう。


それが終わって、仕事の大半を終えたノエルはそれでもその手を止めることなく部屋を出た。


そして逃げ惑う人間を容赦なく殺し、街へ出るとそ此の住人を何十と、そして近くにあった小さな村の住人数十人を手に掛けた。


もうノエルの服は返り血で、真っ赤なワンピースに変わっていた。



「全部ぶっ潰してやるよ神様よぉ、お前が作り出した最大の兵器が暴れてるぜ。止めて見せろよ神様ぁ!楽しいかよ、こうなるって知りながら生き延びさせて、楽しかったかよ!」