譲二がすぐに車で家まで来た。

いつもへらへらしてはいるけど、
真面目にしていれば渋くていい男だ。

俺の、血の繋がらない父。

「お前、ほんまやねんな?」

「おれがそのテの冗談好かんて、
 知っとんやろうが?ほんまや」

どんな顔をしていいかわからずに
いつものように吐き捨てた。

何も言えない譲二を相手に、
入院や家の手続きをした。

学校をやめれば、入院費くらいは
保険金でまかなえるようで安心した。

入院に必要なものを準備していたら
譲二がおそるおそる、言った。

「雨には?もう言うたんか?」