recollectionⅡ‐遠い音‐




舞台上で繰り広げられる
演技に目をやりながら私は言った。

「なんか始まってるね」

「何語だろう」

舞台上から聞こえる言葉は
日本語ではない発音だった。

「フランス語?」

私はふざけてみた。

「いや、違うだろ」

すかさず怜佳が言った。

私は立ちながら、

探した。


きょろきょろと、見回す。


何処に、いる。


――先生。