recollectionⅡ‐遠い音‐




変わってないなぁ、こいつは。

思わず漏れそうになる笑いを
手で覆い隠した。

「………」

また、私と大夢の微妙な沈黙。

「…が、頑張って!」

私は意味不明な
ガッツポーズをした。

「うん!」

素直に大夢は頷いた。


「あ、てかウチらは準備」

紗織が言った。

「そっか、演奏、頑張って」

吹奏楽部の友人たちは
すぐに駆けて行ってしまった。

「仕方ない、」

残された私は言う。

「怜佳、見に行こうよ」