車椅子に乗って一人でうろうろすることも増えた。 ナースステーションの前を通りかかったとき、宵山さんに話しかけられた。 「蒼チャン 最近明るくなったわね。 よかったわ」 「そんなことないよ」 「そんなことあるわよ うろうろするのいいけどきをつけてね」 また私は車椅子をうごかす。 屋上で日向ぼっこ。 少し動くと汗ばむ季節になった。 コンクリートにシーツのたなびく音が心地よく響いている。