…もしかして、杉本を泊めたことがばれたか?


同僚同士で付き合ったり云々については、さすがに社会人なので、特にダメというわけではないが、なんとなく、新人を家に連れ込んだことに対して、何もなかったとはいえ、やはり後ろめたい気持ちがあった。
何を言われるのかとどきどきしながらついていくと、三井は自販機でコーヒーを買い、俺に手渡してきた。

「…このまま終わってくれてもいいと、正直思ったんだがな」

「何がだ?」

何のことかさっぱりわからず、俺は首を傾げた。

「また、アレが始まった」

「アレ?」

少しの間、記憶をたどる。


…まさか。


「おい。まさか」

思い当たるものがひとつだけあった。
今も未解決になっている事件。
俺が警察官になろうと思ったきっかけ。

「…その、まさか、だ」

三井の言葉に、俺は手に持っていたコーヒーを思わず落とした。