――ぱたん。



俺が制服を着て、家から出ると

タイミングよく
里亜も出てくる


待ち伏せ?


はあ〜


しなくていいのに


待ってやるのに……

言わないけど




隣で歩き出すと、里亜が上目づかいで話す。




「朗慈、ここ、かまれた・・・・・・」



ぶっ!


吹き出しそうになるのを、こらえる俺。


里亜は、俺によく見せようと
セーラー服のとめをはずし
首元を広げる


しっかり、見る。


二つの赤い跡。



「朗慈の部屋、虫でも入ったんじゃない?」



虫?


「いないね」



俺以外。




「まっいっか!」




里亜は明るく言うと、俺の腕にしがみついた。



強くしたら、
跡がのこるか・・・・・・


今度から、気をつけよ。








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