アイツとコイツは許嫁。



「えー、個人競技に『ダンス』を受け持ってる奴らは、昼休みに体育館に行け」


・・・はい?


「放課後の――――」


そこから先は聞く気になれませんでした。


練習しろ、という意味合いでしょうか。


視線は向けずとも、神経を摩央の方に向けてみました。


・・・無理です。


この状況で摩央と練習ですか?


無理極まりないです。


言葉を交わさないんですよ?


気まずいんですよ?


だいたいこの男、ステップ踏めるかも分からないんですよ?


・・・わたくし、あのくじを一生呪ってやりますわ。


そんな願いも虚しく、飛ぶように時間が過ぎて、あっという間に昼休みになりました。


『時間は、楽しい時に短く感じる』のではなかったのですか!?