「ねえねえ!」
・・・何、誰?
ダルさを噛み締めつつも、顔を上げると前の席の奴が、こっちを向いていた。
男なのに『ねえねえ』なんですか。
「俺さー、櫻井俊哉っていうんだけど、摩央って呼び捨てにしていい?」
何か女っぽくねえ?
声高いし、童顔だし。
「あー、うん。いいけど」
これが、俊哉との出会いだった。
朝のかったるいホームルームが終わった後、いきなり俊哉に連行された。
向かった所は、
「俊哉、そいつ誰?」
なぜか隣のクラス。
そして目の前には、身長が俺ぐらいあるデカイ男。
「こいつはー、西条那岐ってゆーの!俺の親友!」
と、ちっちゃい俊哉が言う。
・・・なぎ?
どんな字書くんだ?



