アイツとコイツは許嫁。



「つーか、お前は・・・」


もっと口を閉ざしとけ!


・・・と言おうとした時。


「やめなさい!!」


瑞江さんが仲裁に入った。


・・・つーかやべえ。


冬樹さんと瑞江さんがいる前で怒鳴ってた。


「喧嘩をしてはいけないとは言いませんがっ!」


強い口調で瑞江さんは続ける。


軽くびくびくしながら聞いていた。


・・・俺、軽蔑されんのかなー。


「限度を超えないようにしてくださいね?」


今度はさっきと一転して穏やかな口調で。


・・・いい人だな。


少しうれしかった。


「さ、そろそろ出るぞ。」


冬樹さんの言葉で、俺達はリビングを出た。


琥珀はまだ何か言いたそうな顔をしていたけど、あえて気づかないふりをした。