アイツとコイツは許嫁。



制服を着てリビングに戻った俺を待っていたのは琥珀の厳しい目。


「・・・何の冗談ですか、それは」


「・・・何がだよ」


俺も顔をしかめる。


「なぜそのように悲惨なことになるのか、わたくしは理解しかねます」


「何のことだっつーの。主語を言え、主語を」


「・・・摩央の着ている制服はわたくしのと同じ種類のものですわよね?」


あたりまえだろ。


「見てわかるだろうが」


その瞬間琥珀はキッ、と目を吊り上げた。


もとはかわいいのに・・・。


そんな不細工な顔すんなっての。


「分かるわけないですわ!なんですか、そのだらしない格好!」


いきなり怒鳴ってきた。


・・・前言撤回。


全然かわいくねえ!!


「なんでてめーにそんなこと言われなきゃなんねんだっての!」


お前はまま母かっ!